『とんがらしの誘惑』
目黒それでは『とんがらしの誘惑』。1999年5月に文藝春秋から本になって、2002年5月に文春文庫と。赤マント・シリーズの10冊目ですね。これで驚いたのは、宇宙空間をぐるぐる回っている壊れた人工衛星や、不必要になって放棄されたロケットの部品などが2万数千個あるっていうの。
椎名いまはもっと増えてるだろうな。
目黒そうか。これは1997年ごろの話だからね。おれが驚いたのは、それらを追跡監視している機関があって、一つづつ監視番号を付けているってこと。これは国際的な機関が監視しているってこと?
椎名いや、各国が独自に監視している。
目黒へーっ。
椎名スペース・デブリと言うんだけど、直径10ミリくらいの石が宇宙ステーションにぶつかると、全壊はしなくてもかなりダメージを受けるから、そういうスペース・デブリにぶつからないよう宇宙ステーションの軌道を修正しなければならない。
目黒だって2万とか今なら3万とか4万もあるんでしょ。それをぶつからないように出来るの? すごいねえ。
椎名お前ねえ、宇宙は広いんだよ。そんなに簡単にはぶつからない。
目黒あとね、ハインラインの『宇宙の戦士』を映画化した「スターシップ・トゥルーパーズ」を絶賛しているので観たくなった。すごいぜ椎名の絶賛は。こう書いているんだ。「そのSFXが凄い。そしていやはや実にこれこそ映画のワンダーランド!というくらいに楽しい」。
椎名まだもっと凄いSFXを見てないころだったんだな。
目黒あっ、そうなの。その後の作品と比べると、ちょっと違う?
椎名これは3まで作られたんだけど、いま見るとどうかなあ。まあ原作を読んでるなら1は面白いかもしれない。
目黒ふーん。あとね、朝は完全な日本食党だと書いているんだけど、それ、知らなかった。コーヒーにパンじゃないんだ。
椎名ご飯に味噌汁、魚、卵、納豆だな。おれ、朝しか食わないから、しっかりご飯もお代わりするぜ。
目黒朝しか食べない?
椎名昼は原稿書いてると忘れることが多いし、夜は飲むから食べないし、結局朝だけなんだよ、しっかり食うのは。
目黒ふーん。
椎名他には?
目黒それ以上の感想はないなあ。
椎名つまらなかったのか?
目黒いや、これ以上の感想がないだけ。
椎名ま、いいか。
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